なるほど 7
左と右…文化で異なる上下関係
左と右、それはどちらが上位なのだろうか。日本では、昔はなんでも御所を中心に
して考えられた。宮中の紫宸殿(ししんでん)は南向きで、北を背にしている。そし
て「天子南面」という言葉があり、正式には天皇は南を向いて玉座に座られる。する
と左手は東、右手は西になる。それで宮中の東側を守る近衛兵を「左近衛」、西側を
守る兵を「右近衛」と称し、紫宸殿の前の東側にある桜を「左近桜」、西側の橘を
「右近橘」という。これは東が日出ずるところで上位、西が日没するところで下位と
されるのである。だから左大臣が上位で、右大臣が下位である。
三月節供の雛段(ひなだん)が、今日では多く向かって左側に男雛、向かって右側に
女雛が飾られ、女雛が尊者の位置におかれているが、もともと「内裏雛」というように、
内裏の天皇・皇后にあこがれて模したものであるため、本来の姿は内裏での左側すなわ
ち向かって右が男雛、右側すなわち向かって左が女雛であった。それが明治の終わりご
ろから次第に逆になったのである。だが近ごろ一部には本来の姿での飾り方が現れてきた。
喜ばしいことである。
ところで、ヨーロッパにおいては、中世ナイトの時代に、ナイトがかよわい婦人
を助けるために、左手で婦人を抱え、右手で剣を握って戦い、それがナイトの勇姿
であるとされたことから、男子を向かって左、女子を向かって右とする順位が決定
づけられたという。
明治になって日本が近代兵制を取り入れたとき、そうしたヨーロッパの風にのっと
り、右を上位としたところから、次第にいろいろな面で右すなわち向かって左が重ん
じられるようになった。
たまたま大正天皇・皇后が御大典のとき、東京の皇居において洋装で立たれたため、
西洋礼式にならい天皇が右すなわち向かって左に、皇后がその反対側に立たれ、「御
真影」もそれにならったため、一般にもそれが広まり、内裏雛などの飾り方にも影響
したといわれる。しかし、洋装ならばともかく衣冠束帯姿で西洋風はないのである。
しかし、“女性上位”の時代なればそれがあたりまえかもしれない。
ところで、左・右でいえば「左前」「右前」という言葉がある。洋服の場合、男が
右前、女が左前という区別があるが、和服の場合は男女ともに右前に着ることになって
いる。右前というのは、胸前で着物を合わせる時に、右側から先につまり肌に着くよう
に下に合わせることをいう。右前が基本にされるようになったのは、右手ききの人が多
いことから来ているという。右前に合わせていれば、きき手の右手がすぐに懐に入れら
れ、財布などの小物をすぐ取り出せる便利さがある。
◆生死の別でも逆転
左前にしてはならないとされるのは、死者を葬るときに、左前に着物を着せるからで
ある。死者を生者と反対にすることで、生前の人間と区別し、他界に住む人であること
を明確にしたのである。したがって、左前にすることは生きながら死に装束をまとうこ
とになるので、忌み嫌われるのである。
「このところ不景気で、あいつの会社どうも左前らしいぜ」というときの左前もここか
ら来ている。経営がうまくいかず、ついには倒産というのは、会社が死期を迎えていると
いうことである。お釈迦様も亡くなるときには左前に着物を着ていた。ここから、すべて
を失ったり、失敗したりしたときに「オシャカになる」などというのである。
また、昔のことであるが、葬列に加わる婦人は、着物の左袖を頭にかぶり、余った部分
は背中の方へ垂らして歩く風習があった。こうしたところから、普段の生活の中で、着物
の袖、とりわけ左袖を頭にのせるのは縁起が悪いとして、嫌われたのであった。なお、着物
を縫うときには、片袖だけで間をあけたりせず、必ず両袖とも縫い終えねばならなかった。
片袖だけをつけておくのは「幽霊の片袖」といって嫌った。
これも葬式からの連想によるものである。
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バンジーの由来は
(Q)
バンジージャンプのバンジーとはどういう意味ですか。
(A)
日本バンジー協会などによりますと、バンジージャンプは南太平洋に
浮かぶ、バヌアツ共和国のペンテコスト島の伝統行事にヒントを得て、
商業化されたものです。同島で数百年前に女性が夫の虐待を逃れるため、
足首に木のツルを巻いて、ココナツの木の上から飛び降りたのが始まり
です。地面すれすれで跳ね上がりますが、大変な度胸が必要です。その後、
収穫の行事として男がやるようになり、現在では観光の目玉になっています。
このことは1954年にアメリカ地理学協会の機関誌「ナショナル・ジオ
グラフィック」に紹介されました。
さらに時代は下って、79年に英オックスフォード大学の「危険スポーツ
クラブ」のメンバーがタキシードにシルクハット姿で英ブリストルの橋の上
から、バンジーのように飛び降り、次いで米国にも乗り込み、サンフランシ
スコのゴールデンゲートブリッジでも挑戦しました。
現在のような商業化に道を開いたのはニュージーランドのA・J・ハケット
さんで、87年にパリのエッフェル塔を舞台にしました。その後、専用のタワー
を建ててスポーツとして確立、95年からは世界競技大会も開かれています。
さて、バンジーの由来ですが「体を縛る伸縮性のあるひも」のことと言われて
います。しかし「この名前はバンジージャンプで初めて聞いた」(日本ゴム協会)
といい、はっきりしないのが実態です。つづりも英国や米国では「bungee」、
ニュージーランドでは「bungy」と異なります。両者では使うひもも違い、
米国では米軍の仕様に基づく伸縮率の決まったゴムが中に入ったひもを使うの
に対し、ニュージーランドで始まったバンジーでは、すべてゴム製でバウンド
も大きいそうです。
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橋げた ・〜・〜下駄とは無関係
「橋げた」というのは橋のどの部分を指すのだろうか。
「げた」という言葉から、足に履く「下駄(げた)」を
連想するせいか、橋の足=橋脚のことだと勘違いしている
人が多いようだ。だが、橋げたと下駄とは無関係、漢字を
当てれば「橋桁」。「桁」は柱と柱との間に渡した横木の
こと。橋脚となる柱の上に渡して道路や鉄道の路盤となる
部分が「橋桁」だ。 川など水の中に立つ橋脚が橋の下部構造
なら、空中に渡されている橋げたは上部構造ということになる。
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見えるラジオ、AMでは
(Q)
FM放送で「見えるラジオ」がありますが、
AM放送で見えるラジオはできないのですか。
(A)
NHKに聞きました。文字多重放送はAM放送では現状で
はできません。これはFMとAMの情報の送り方に違いが
あるためです。
ラジオは音声信号を搬送波という電波に乗せて送り出します。
FMは「周波数変調」といって、音声信号波の振幅に応じて
搬送波の周波数を変化させます。AMは搬送波の振幅を変化
させます。FMは波の間隔を、AMは波高を変えるわけです。
FMの場合は情報を乗せる電波の幅に余裕があり、音声情報を
邪魔せずに、空いた部分で文字情報を送れます。これに対し、
AMは電波に乗せた信号を、すべて音声として再現する仕組み
になっているため、文字情報も雑音になってしまいます。
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求人欄の「中習」どんな人
(Q)
新聞の求人欄などで「中習」という言葉を見ました。
どんな人のことを指すのでしょうか。
(A)
読売新聞の広告局によりますと、「ちゅうしゅう」と読み、
見習と熟練の間の人のことを指します。理美容店や料理店など
で使います。見習はまったくの初心者ですが、中習はある程度
の知識や技術があって、一人前になる前を指します。
理美容師の場合は普通、専門学校などで学び、インターンと
して1年程度店で実習して免許を取得します。免許を取って、
一人前と判断されるまでが中習とされます。免許を持っていなく
ても、見習として2、3年働いて中習と認められる場合もあります。
理容店では顔剃(そ)りやカット、仕上げなどができるようになれ
ば一人前とみなされます。料理店では少し経験があれば中習とみな
されることが多いようです。
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