☆煩い奴☆
初めは、煩い奴だと思った。
妙に元気で、あいつが入って来てから十一番隊は変わった。
今思えば、俺も変わったのかもな。
5番隊隊長藍染が、珍しく十一番隊に来ていた。
「剣八、昨日連絡した新しい副隊長だ。今度は切りつけられない子を連れてきた。」
剣八は先日、自分の部下、しかも副隊長を切りつけたのだった。
戦斗部隊と謳われる、ここ十一番隊の中であの副隊長は少々優しすぎた。
虚と戦闘中に、いきなり虚を切れないと言い出したのだ。
剣八がその考えに激怒し、脅しのつもりで斬魄刃を向けたら、肩の辺りを掠めてしまったのだ。
その事件をきっかけに、彼は副隊長の座を降りたのだった。
それからしばらく十一番隊には副隊長が在籍していなかった。
と、言うか下手に代わりを送れなかったのである。
「ほう、それは見てみたいな」
自分と同等の立場の藍染なのに、挑戦的な態度の剣八。
何か面白そうな物を見つけたように目がギラギラ輝いていた。
今にもまた、斬魄刃を出して切り付けそうな勢いである。
「剣八、そんなに興奮するなよ。今紹介するから。。。」
さすがの藍染も、ギラギラする殺気には冷や汗ものだった。
「草鹿やちるくんだ。まだ年齢は若いが、素早い動きで君の右腕になるだろう。」
藍染がそう説明して、自分の横を手で示したが、そこには誰もいなかった。
「おい、藍染。そのやちるとやらは、何処にもいないぞ?」
そう言われて、藍染が自分の横を確認したが、本当にやちるはいなくなっていた。
確かに、この11番隊に入るまでは一緒に居た筈だ。
「あれ、おかしいな・・・??確かにここに来るまで一緒にいたのに」
藍染は辺りを見回しながら、そう言った時だった。
ドンと言う音と共に、剣八の肩に重みが掛かった。
剣八は何事かと自分の肩を見ると、小さな女の子が肩に乗っていた。
「な、なんだ、お前は!?」
そう剣八が女の子に向かって聞くと、女の子はにっこり笑って肩に乗ったまま答えた。
「草鹿やちるで〜す。今日から11番隊の副隊長になる事になりました☆
よろしくね、剣ちゃんvv」
「はぁ??誰が剣ちゃんだ!!と、言うかお前が副隊長だと!!
俺はこんなふざけた副隊長なんていらねぇ!!肩からおりろ!!斬ってやる」
そう言うと、剣八はやちるを肩から無理やりおろし、鞘からを刀から抜き取ろうとした。
「は〜い、そこまで!僕の前で殺し合いなんて勘弁してよ。責任取らされるのは僕なんだから」
藍染が、腹黒い笑みを浮かべてやちるの前を庇うようにして立ちふさがった。
後ろには何故か、黒いオーラが漂っていた。(BY剣ハ後日談
さすがに、いつも温厚な藍染の腹黒い笑みにも勝てるわけなく、剣八は渋々刀を鞘にしまった。
「仲良くしてよ、剣八。やっと見つけてきたんだから。」
「俺はこんな煩い奴はお断りだ!!」
「しかし、隊長一人では任務がたいへんだろう?」
「俺は一人で大丈夫だ!!」
剣八はそう言うと自室に戻っていこうとした。
「あっれ〜、さっき私に後ろを取られたのはだれかな〜。
そんな人が1人で大丈夫なのかな〜?」
やちるのこの一言に、剣八は額に青筋をたてた。
「あぁ、俺がいつお前に後ろとられたんだよ!!」
「さっき、私が肩に乗った時、防げなかったじゃん♪私が居たら、もう剣ちゃんが後ろを取られることないよvvだから私を副隊長と認めてよ☆」
「確かに、後ろを取られるなんてここしばらくなかった事だ。いいスピードだったなお前!」
「やちる!!お前じゃなくてやちる!!」
「あ・・・あぁ、やちる。お前に副隊長になる前に聞いておきたい事がある。」
改まった剣八の口調に、自然にやちるも背筋を伸ばす。
「何ですか?」
「お前は、虚を俺と一緒に斬れるか?」
剣八の質問の意図が取れなかったが、やちるは迷わず答えた。
「任せて!虚なんかけちょんけちょんにしてやるんだから!!」
やちるが入ってから、十一番隊隊長更木剣八がまるくなったとの噂が飛び交った。
きっと、彼女の賑やかさが剣八を癒したのだろう。煩い奴だと思った。
でも、それはとてもここち良いものだった。
〜END〜
☆言い訳☆
初、ブリーチ小説。
やちるの可愛さと、剣八のカッコよさにやられて勢いで書いちゃいました。
十一番隊大好きです。
人様の素敵な小説を見ると、書いてみたくなったのです。
ここまで読んで頂いて、ありがとうございました(ぺこり
未熟で申し訳ないです。
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