躁うつ状態とうつ
■躁状態
気分が爽快でじっとしていられない。健康感にあふれ活動力が盛んで、朝早くから夜おそくまで活動しても疲れを感じません。軽操状態の時期には困難な仕事にも気楽に着してしまうので、優れた仕事をなしとげることもあります。この感情のかたまりが強度になると、不必要な仕事や他人の問題にまで介入してしまい、無遠慮・おせっかい・礼儀を欠くという状態になるのです。また多弁でユーモアがあり、ダジャレや冗談を言ったりして笑わせたりもします。落ち着きがなく次から次へと計画をして着手し、中途半端で失敗することが多いが、いっこうに平気なのです。これを阻止したり非難されると刺激性となり激怒しやすいのですが、それにはあまりこだわらず、なだめると、たあいもなく好機嫌になるのです。考えが次々とわき出てきて思考の流れが早く、無選択に出るようになり話題がどんどん変っていくことがあります。ときには、財産・地位を過大に思い込み、人を招待してごちそうをしたり、訪問をして贈り物をしたり、はでに事業を開始したりして借金をかさねてしまうこともあります。食欲・性欲も昂進し、盛んに飲食したり、多くの異性と性的関係を結んだり、生活が放縦となってしまいます。活力にあふれているため昼も夜も睡眠は多く障害されています。このような状態が続くと身体を消耗し、次第に衰弱していってしまうのです。
■うつ状態
躁状態と反対に気分が重くしずみ憂鬱で不快感があります。気力もなく沈んだり動きも少なく、無口になります。初期(軽症)の場合は憂鬱というよりは、ばくぜんとした重苦しい不快感があり、はつらつとした現実感に乏しく、頭が空虚になった感じや、自分と外界への隔てられた感じ、感情の疎遠で離人症といわれる症状がみられることがあります。病状がすすむと、起床や身だしなみも面倒になり、仕事も放棄するようになってしまうことが多々あります。心身の不快感から自分の身体のことを気にするようになり、頭痛・疲れやすい・身体の不調を訴える*「心気妄想」*「疾病妄想」に発展することもある。憂鬱感は、悲しみ、あわれの感じになり、人生に絶望的、厭世的、虚無感をなり、苦悶・不安・イライラ感などが伴うことが多いのです。また思考がとどこおり、考えがなめらかに進まず決断力が鈍ってしまうのです。自分の財産、地位、迫ヘを過小に思い、無力・劣等感が支配的となり、過去の些細な過失を反省したり、自責して罪深いと感じる罪責感が生じ、自殺を考えることもあります。頭痛、倦怠感・圧迫感を感じます。身体的症状として最も重要なのは「不眠」であり寝つきが悪い・眠りが浅い・夢が多い・中途または早朝に目が覚め易やすいなどの症状です。また食欲と性欲の減退、月経不順、便秘などの症状も、しばしば現れる症状です。
*「心気妄想」…自分の身体が駄目になった。頭がこわれた。胃腸が腐っている。心臓が弱ったなどと気にする。
*「疾病妄想」…結核・がん・精神病などの病気になったと思い込む。
■こころの葛藤・叫びを吐き出そう
きっと、あなたのこころの中には、吐き出せなかった「言葉」の叫びが、いっぱい詰っていると思います。それは、泣きたくても泣けなかった涙のダムのようなものかもしれません。少しずつでも良いから、その気持ちを吐き出してみましょう。「こんな嫌なことがあった」「言われたくないことを言われた」など思いのままに、ノートに書き出してみましょう。「つらい」「おもしろくない」「責めないで」「イライラする」「罪悪感」など思ったままに吐き出してみて下さい。
■集団療法
集団療法とは、クライエントさんのグループを作って、その集団全員がまとまって治療を受けるというものです。集団療法の最大のメリットは、自分と同じ悩みを持っている人がたくさんいるということが分かることです。自分独りが劣った人間であると思い込んでいるクライエントさんにとって、同じ病気で悩んでいる人がいることは大変なこころの支えになります。クライエントさん同士の心のつながりは、クライエントさんがこれまで経験したことのないもので、また治療だけでなく、クライエントさん同士でお互いの病気について学ぶことができるのも利点です。同時に、家族療法の一環として、クライエントさんをもつ母親(父親)集団療法も有効です。
■自助グループ
自助グループとはクライエントさん同士、あるいはクライエントさんを抱える親同士の交流をはかり、励ましあうための組織です。全国に大小さまざまな団体がありますので、調べてみて下さい。集団療法のグループは、クライエントさん同士の変化をお互いに促進するという目的で作られたものですが、自助グループの場合はお互いに励ましあいながら回復へと向かうことを目的としています。